コンサルティングシナリオ例(2009年~2010年)
社員40名ほどの建築資材製造メーカー様
大手住宅メーカーとの取引で安定した売上を上げている
愛知県内の本社+工場と静岡県内にも生産工場を持っている
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1. 依頼
- 当初の依頼内容
建築資材関係は法律が変わり、トレーザビリティが厳しくなる。
そのため原料の仕入れから製造過程、最終製品の行き先まで
細かく追跡できるようにする必要が出てきた。
そこで、今回はITを使った受発注製造管理システムの構築を
依頼される。
またそのシステムから既存会計ソフトとの連動も依頼される。
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2. 相談・調査
- システムを構築するために何が必要か、またどういうサービスが適しているかなどを
キーマンの総務部長と面談などを通じ、検証していくと
依頼された内容以外の課題(希望)が多く浮上。
【課題】
① 本社工場と静岡工場とを合わせて同時に運用がしたい
② 原材料の端材が経理上計上されておらず、毎年決算期には苦労する。
③ そもそも、システム化をしようとしているが、何をどうしたら良いかが
良くわからず、現場の意見も反映しないといけない。
④ 旗振り役の総務部長は社歴が浅く、長年一緒にやって来た他の従業員と
少し距離がある感じがする。
その後、まだ課題は続々出てくるのですが、当初の調査では
この辺をまとめて提案としました。
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3. 提案
- ① まず、会社としては大きな動きなプロジェクトを始めますので、最初に
関係者全員が本社に集まり、「新しいことを始めるぞ!」セレモニーを行う。
この時に、社長の訓示と、総責任者任命式も同時に行い、全社員に
方向性をきちんと示して頂き認識して頂く。
② システム開発のための要件定義ができない状況なので、弊社よりSEを1名
工場へ派遣し、顧客業務を把握しながら、事前にいろんなドキュメント作成や
補助的なシステムの作成を行うこととする。
③ もちろん予算もあることなので、できるだけ自社および協力企業内で
業務を行うことにして、コンパクトな予算にする。
そのため、通常はNTTに作成依頼する、静岡工場とのネットワーク
構築は社内で作成する。工事も社内+協力企業でまかなう。
など、こまごました手をうつ。
④ 調査中にも、いろいろな部分で詳細が明らかでないことが多く、
当初の計画だけで進むとは考えにくため、大きな修正や方向転換が
あった場合に再度、セレモニーを行い、方向性を全員が確認していくことにする。
etc。
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4.
実務を行いながら
いろんな課題の
あぶり出し
- ① SEを投入したところでは、業務把握はするものの、細かいドキュメントやデータ
作りが多くなり奮闘。
② 本社と静岡工場の女性数名と会社の幹部のみがPCを扱えて
工場長以下、作業員はPC操作が得意でないことが判明
② サーバ設計から静岡工場とのネットワークまで設計を行い、工事も行う。
工事段階になってから、レイアウトの変更や、新規PC購入の依頼もあり、
1回では終わらず、何度も足を運ぶ。
③ 本社勤務の女性が退職し、その要員確保に悩む。
④ 営業サイドからこの際、会社のHPも作成したいとの要望があがる。
⑤ 出荷の問題で、効率を考えると運送屋さんとのデータやり取りが
できた方が良いことも判明。
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5.
上記なども踏まえ、
追加したサービス
- ① システム開発が本格的になってきたところで、工場作業員のPC基礎教育を計画し、
業務終了後「PC勉強会」を開催しほぼ全員がPC操作の基礎と、
今回のシステムの一連の操作まではできるようになる。
② 女性従業員の採用に関して、ノウハウの提供と、実際の募集書類の作成提供
③ ②に関して、採用までの期間、当社より人材の派遣を行い、同時に
PC基礎操作のアフターフォロー要員&PC教育係として機能化をしました。
④ 新しいHPの作成
⑤ 運送屋さんと打合せを行い、現在進行中のシステムに追加可能の
内容であったため、ソフトを追加製作
以上のような経過を経て、約1年間でシステム全体に稼働する。